「深く理解してくれる人しか認めない」では先に進めない
そうした反発意見に、為末さんは何度も回答をしている。そこには、確かに障害者にならないとわからないこともあるが、一人一人はそれぞれで、全く同じ人間はいないから全員に「わからない」が当てはまる。
「障害者の方だけに特別慮らなければならないとは思いません」
などと答えた。また、
「当事者は1人でも多くの理解者を求めてますっ!!!!!」
という意見に対して為末さんは、「理解してください」なのか、「理解するべきだ」という姿勢なのかで北風と太陽のようにずいぶん違う気がするとし、
「深く理解してくれる人しか認めないという姿勢だと、結局世の中の多くの人はめんどくさい事が嫌いなので理解が進まず、その弊害が出ているように私は思います」
と返した。障害者に関する法律や、障害者に対する人々の態度はいくらでも整備できると思うけれども、人の腹の底にある考えは強制ができない。偏見を無くすためには理解してもらおうという努力が必要で、そのためには対話を続けるしかないのだけれど、対話を続けるには残念ながら世の中にはたくさんの問題があり難しい、と説明した。
こうした為末さんのツイッターでのやり取りについてネットでは、
「ヒステリックな正義の人って、差別されている本人は声に出して言いにくいから替わりに私が言っていかなきゃ、と過剰に思ってる奴の事だろ」
「障害者の一番の敵はモンスター障害者とその理解者」
「マジでこれは思う。障害者支援の連中って何様のつもりなのか、 なんであんな偉そうな態度取れるのか不思議」
「親父が事故で障害者になったけど家族はいたって普通だよ。気を遣うほうも疲れるけど遣われるほうも疲れるんやで」
などと言った意見が掲示板などに出ている。