「具体的な内容はこれから一つひとつ、しっかり検討していきます」
今回のマツダとトヨタの提携は、あくまで業務提携で、資本提携には踏み込んでいない。とはいえ、書き込みの中には、
「マツダは今さらハイブリッドが必要かな? マツダだけは独立でいてほしかった」
といった、マツダが今にもトヨタに「飲み込まれてしまう」かのような声もある。
トヨタは売り上げ規模で9倍、営業利益で14倍近くもマツダを上回るのだから、熱烈な「マツダファン」が憂慮するのも無理はない。バブル経済崩壊後にマツダの経営が悪化して、米フォードが乗り込んできたときのことを思い出したファンもいるのかもしれない。
こうした心配の声に、マツダは「包括提携の覚書を交わしたところで、具体的な内容はこれから一つひとつ、しっかり検討していきます」と話している。
また、TIWの自動車アナリストの高田悟氏はマツダファンに「お行儀の悪い相手とは(提携を)やらないでしょうし、基本的にはwinwinの関係で進めると思いますよ」と話し、「なにより、トヨタがマツダの技術力を高く評価して認めたわけですから、マツダのブランド力も上がります」と、今回の業務提携はマツダにとってメリットが大きいとの見方を示した。
さらに、近年は海外の環境規制が厳しくなっている。マツダは2010年からトヨタにハイブリッド(HV)技術を供与してもらっているが、マツダの企業規模では燃料電池車(FCV)などの独自開発はむずかしいことがある。
一方、FCVの市場を拡大したいトヨタにとっても、マツダがFCVの開発に乗り出せば、デファクトスタンダード(事実上の標準)に近づくので、メリットは小さくないとの事情があるとみられている。