自動車部品大手のタカタが製造したエアバッグの異常な破裂で死傷者が出た問題で、米高速道路交通安全局(NHTSA)は、タカタが製品の欠陥を認め、全米リコール(回収・無償修理)に同意したと、2015年5月19日に発表した。タカタが前日、NHTSAに調査に全面的に協力することに同意する書類を提出した。
リコールの対象は、すでに自動車メーカーが自主的な「調査リコール」などで回収した分を含めて3380万個。これまで公表されていた数のほぼ倍にのぼり、米国で過去最大のリコールとなる。関係する自動車メーカーは、ホンダやトヨタ自動車、米ゼネラル・モーターズ(GM)など11社にのぼる。
タカタは4件の欠陥報告を届け出。運転席側が1件(約1760万個)、助手席側が3件(計約1620万個)で、ほぼ半分はすでにメーカーなどによる回収の対象となっている。
これまでタカタは「原因不明」などを理由に欠陥を認めず、NHTSAが14年11月から要請していた全米リコールを拒否。自動車メーカーの調査リコールへの協力にとどめていた。今後はユーザーへの連絡を徹底し、部品の交換、点検・修理などに応じていく。