2紙は「人身売買」の主体を「日本軍」と明言したことに注目
ただ、このケリー氏の発言は、聯合ニュースによると、
「韓日の歴史問題について米政府が示してきた立場と大きく変わらないが、問題解決のためには日本の努力が必要であることをあらためて表明したと受け止められる」
として「努力すべきは日本側だけ」言わんばかりの文脈に「翻訳」されて伝えられている。
朝鮮日報は、「日韓双方が~」の部分に触れてはいるものの、最も強調されていたのが、安倍首相の「人身売買」発言について「(安倍首相は)行為の主体を省略したが、ケリー国務長官は『日本軍』が主体と明言した」点だ。ケリー長官の発言を通じて、慰安所の運営などに軍が直接関与していたことを主張する狙いがあるとみられる。
中央日報は、この点について、
「オバマ大統領は当時(編注:14年4月の訪韓時)、人権侵害を犯した加害者を日本政府または日本軍と明示しなかった」
と指摘しながら、「米国務長官が日本軍の責任を取り上げるのは初めて」(韓国外交部当局者)という声を伝えた。
東亜日報は「従来の態度を繰り返す水準にとどまった」と冷淡だった。
菅義偉官房長官は5月19日午前の会見で、
「我が国としては対話のドアはオープンだということなので、大局的観点から、条件なく対話をするべきだろうと思っている。常にオープン」
と述べ、首脳会談について従来の立場を繰り返した。