いじめを抑止しようと、東京都立川市立小学校の30代男性教諭がクラス全員の指紋を取ったことに対し、市教委が「人権侵害」との認識を示した。これに対し、ネット上では逆に、「いい先生じゃないか」と擁護する声が相次いでいる。
男性教諭は、6年生のクラスの担任を務めている。立川市教委などによると、きっかけは、2015年5月11日にクラスの女子児童の靴に画びょうが入れられていたのを知ったことだった。
靴に画びょうが入れられていたことがきっかけ
これを受けて、教諭は13日の授業中に、画びょうが入れられていたことについてクラスの全員から聞き取りを行った。その場で、右手人差し指をスタンプ台のインクに着け、紙に押してもらって指紋を取った。指紋は、女子児童を除いた37人全員分を採取したという。
ところが、15日になって、PTA役員から校長に指摘があり、指紋を取っていたことが問題になった。
教諭は、この行為について、犯人捜しであることを否定し、「いじめを抑止するためだった」と説明した。しかし、反省しているとして、指紋を取った紙を廃棄したうえで、この日中にクラス全員に謝罪した。また、17日は、緊急の保護者会が開かれ、学校側が経過説明をして謝罪した。
市教委では、指紋採取について、「児童の人権を侵害する不適切な指導」だとしており、ホームページ上でもそのことを報告している。教諭については、処分も検討されていると一部で報じられている。
クラス全員から指紋を取っていた教諭について、ネット上では、「取り調べ類似行為だろ」「ちょっと行き過ぎたかも」「関係ない生徒を大量に巻き込むのは褒められたことじゃない」と疑問の声はあった。しかし、いじめ抑止と訴えた教諭を擁護する声の方が多数を占めている。