結婚願望はないけど、ウェディングドレスは着てみたい――そんな望みを叶えるサービス「ソロウェディング」が今、アラフォー女性にウケている。
もとは京都の旅行代理店が始めたサービスだったが、ウェディング写真を得意とする写真館が次々追随、全国に拡大中だ。
「お姫様気分になれます」
パートナーがいなくても、ヘアメイクやスタイリストの手で美しくなり、ウェディングドレスを着た状態でカメラマンに撮影してもらう。それがソロウェディングだ。
「ソロウェディング」という言葉を作ったのは旅行代理店「チェルカトラベル」(京都市中京区)。2014年6月にサービスを始めた。14年後半ごろからマスコミなどで頻繁に取り上げられたこともあり、担当者は「おかげ様で申し込まれるお客様は増えています」と明かす。
ただドレスを着るだけではない。2日にわたるスケジュールは、ドレスフィッティング、フラワーデザイナーとのブーケ作成など撮影前から盛りだくさん。撮影後もエステやスタッフとの食事など多様なオプションを付け、旅行代理店ならではの仕掛けをこらした。「あくまでも旅行の一環として(プランを)作っています」「お姫様気分になれます」と言うだけあり、1人でも十分に楽しめる内容となっている。
主な利用者は30代後半から40代の女性。15年2月からは50歳以上を対象にしたプランも始め、未婚者やシングルマザーらの支持を集める。料金は最低でもおよそ30万円と安くはないが、担当者は「決して高くはありません」といい、15年初めのサービス値上げ後も、申込者は増える一方だという。
カップル専用アプリPairy(ペアリー)を運営するTimers(東京都渋谷区)は15年4月、ソロウェディングに関する意識調査結果を発表した。それによると、言葉自体を知っていると回答した人は16%に留まるものの、「良いと思う」「興味がある」とポジティブな回答を寄せた人は男女ともに60%を超えた。恋人がいる女性でさえも、約50%が「興味がある」と答えている。
自分の綺麗な姿を見たい、それを形として残したいという女性の潜在的欲求は強いようだ。