秀インターワン「担当者が終日会議で外出」
ラーメン店の「にく次郎」を運営する秀インターワンは、関西エリアを中心に、お好み焼きチェーンの「いっきゅうさん」や串揚げ・焼き肉専門店の「串虎」、個室和食の「京ほのか」や「ゆずの家」、「灯花」などを展開する外食チェーン。
その1つ、焼き鳥専門店の「鳥次郎」をめぐっては、2015年4月に焼き鳥店チェーン大手の「鳥貴族」から、鶏をかたどった「鳥」の文字などをデザインした看板やキャラクター、メニュー、店の内装や店員のユニフォームなどが似ていると、それらの使用差し止めと6050万円の損害賠償を求めて、大阪地裁に訴えられている。
「鳥次郎」と「鳥貴族」が、同じ企業が運営する焼き鳥店チェーンだと思っていた人は少なくなかったようだが、秀インターワンは裁判で「(看板デザイン、色彩などは)あきらかに異なっている」と、真っ向から反論している。
じつは、物語コーポレーションも「丸源ラーメン」のほかに、鉄板焼き・お好み焼き店の「お好み焼き本舗」や焼き肉チェーンの「焼肉きんぐ」、寿司・しゃぶしゃぶの「ゆず庵」などのブランドを展開している。こうしたブランドの店舗の外観やロゴマークの一部も、他社と似ているのでは、といった指摘もあるようだ。
今回、仮処分の申請に踏み切った理由を、物語コーポレーションは「フランチャイズ本部として、加盟店の皆さまに御愛顧いただいている『丸源ラーメン』のブランドを守るためです」(太田幹彦・広報室長)と話す。
多くのフランチャイジー(FC)を抱えている外食チェーンは、商号や商標などの使用や自身が開発した商品・サービスを提供する権利、営業ノウハウなどを提供することで、FCからの対価(ロイヤリティー)を得ている。
つまり、簡単にマネされては対価を払ってくれているFCに顔向けできないばかりか、FCとの信頼関係が崩れてしまいかねず、経営の根幹にかかわるというわけだ。
一方、「にく次郎」の秀インターワンは、担当者が終日会議で外出しているとのことだった。