「賃金の差は技術によるもので人種によるものではない」
これに対して、韓国人が経営するネイルサロンの業界団体が5月12日に会見して記事に反論した。その内容は(1)1時間8ドル75セントの最低賃金では人材確保が難しいくらい(=低賃金だという指摘は誤り)(2)賃金の差は技術によるものであって人種によるものではない、といったものだ。会見では、記事が「韓国人を侮辱している」として、訂正などが行われない場合には法的措置も視野に入れていることも明らかにされた。
朝鮮日報は、この会見を伝える記事の中で、 「ここ数年の間、中国系やベトナム系など後発が激しく追撃をしている。他民族店は、主に低価格で新規顧客を開拓しており、韓国人店は、比較的良好な技術を持った従業員を雇用し高級化戦略に転換している傾向にある」 などと背景を説明しているが、NYTの調査報道は人手と時間をかけ、法的リスク管理も行われているとして「解決は容易ではない」と、韓国人の業界団体側の主張が受け入れられる可能性は必ずしも高くないとの見方を示した。
実際、NYT報道後の5月10日には、ニューヨーク州知事が実態調査に乗り出す方針を打ち出し、NYTは5月11日付の紙面でも社説で「ネイルサロン従業員に正義を」と題して待遇改善を訴えるなど、業界にとっては外堀が埋まりつつある状況だ。