女性バイトの裸写真投稿を受け、牛丼チェーン「すき家」が店員らに内部情報をツイートするなと指令を出した――。こんな内容をすき家の男性店員が内部文書の写真を添えてツイートしていたことが分かった。
裸写真問題では、アルバイトの女子高校生がツイッター上で、2015年3、4月にすき家の店内で制服を着たまま恥部を露出するなどした写真を多数アップして、5月に入ってネット上で騒ぎになった。
「すき家の裸事件を受けてこんなFAXが...」
これに対し、すき家の男性店員とみられるツイッターユーザーは5月10日、「裸事件を受けてこんなFAXが...」とつぶやき、内部書類のような文書の写真をアップした。
その文書では、「緊急連絡」とのタイトルで、店員のクルー各位に対し8日付で「従業員がすき家の画像・情報を無断投稿することは禁止です」と大きく書いてある。
公式アカウント以外のSNSなどへの投稿を禁じており、「軽い気持ちの投稿がその後の人生を狂わせかねない事態にまで発展したケースが実際に発生しています」とつづっている。一般の人たちは、すき家の店員に対し、「個人」ではなく「すき家の代表」として見ているとして、出退勤、就業中のほか、休憩中であっても「節度ある行動」をするよう求めている。
「必ず全員がこのルールを理解して日々の業務に従事してください」
こうも呼びかけ、違反投稿を見つけたら、すき家本部に連絡を、とした。最後に、本部の電話番号が書かれてあった。
このツイートは、情報サイト「探偵ファイル」で取り上げられる騒ぎになり、その後に削除されている。
「緊急連絡」と題した文書は、すき家の店員ではないとみられる別のツイッターユーザーも、店内で文書を入手したとして、写真をアップしていたのが分かった。このユーザーは、すき家に店員の友人がいるとして、別の日に店内で働く友人の写真も載せていた。
「お恥ずかしい限りです」
すき家の内部情報をツイートするなと命じる文書を店員とみられるツイッターユーザーが公開したことに、ネット上では、驚きの声が上がった。
「これやっちゃダメって事がわかんないのかな」「そもそも職場内の情報を外部に出すことが禁止されてるだろ、普通」「バカッター、ここに極まれり」
もっとも、内部情報ではなくても会社のことをSNSなどで書きづらくなることなどに不満があったのでは、といった見方はあった。
すき家を運営するゼンショーホールディングスの広報室では、取材に対し、裸写真問題を受けて、指導の1つとして業務連絡の文書を各店舗にFAXしていたことを認めた。それをツイートしたのは、すき家の男性店員であることも認め、この店員に事情を聴いていることを明らかにした。
文書は、外部に公開すべきものではないという。「店舗で知り得た会社の情報を漏えいすることは職務規定に反します」と言っており、事実関係を確認したうえでこの店員を処分する方針だ。
ツイート禁止という内部情報を店員がツイートしたことについては、「お恥ずかしい限りです」と述べた。
別の店員が文書を友人に見せるなどしたかについては、「確認中ですが、漏らしたとしたら処分の対象になります」としている。
なお、裸写真を投稿した女性バイトについては、すでに警察に通報したことを明らかにした。会社内では、社内規定で処分したが、その内容については公開していないという。