「救急車、軽症は有料化」財務省が検討 欧米並みに一回3-5万円になるのか

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消防庁の検討会でも「国民的な議論の下」で検討求める

   06年3月に消防庁が発表した「救急需要対策に関する検討会」報告書では、(1)119番通報を受けた時点で緊急度・重症度を選別する「トリアージ」を行う(2)軽症者に民間の移送サービスや受診可能な病院の情報を紹介する、といった対応を行っても効果が十分ない場合は、有料化を視野に入れるべきだと提言している。

「更に救急行政の予算・体制の拡充の検討を行うとともに、救急サービスの有料化についても国民的な議論の下で、様々な課題について検討しなければならない」

   財務省の資料では、この部分を根拠に

「諸外国(フランス等)の例も参考に、例えば、軽症の場合の有料化などを検討すべきではないか」

としている。国外に目を向けると、パリ近郊で医療機関が組織する団体に救急搬送を依頼すると、30分で約3万4000円かかる。米ニューヨークでは、民間救急車の利用料金には幅があるが、消防の場合は約5万円かかるようだ。

   このような数万円の利用料金の設定で、救急車の出動回数が減少するのは確実だ。だが、これに対する「副作用」も指摘されており、前出の「救急需要対策に関する検討会」の議事要旨でも、主席者から懸念の声が相次いでいた。

「有料化は、大変に副作用が強過ぎる問題であると認識している。本来対象とすべき、傷病者に対する影響があることはもちろんのこと、救急現場活動という視点からも、大変な混乱を招く話になる」
「高齢者といった弱い立場の方が、救急車を要請した際に、一定の料金を徴収することはかなり厳しい」
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