高浜原発で「予期せぬ事態」
これに対し、関電や九電は厳しい。そもそも2016年3月期の利益予想を出しているのは中部電と沖縄電だけで、それ以外は推し量るしかないが、例えば関電は2016年3月期の黒字化の前提に高浜原発(福井県)の再稼働と電気料金値上げを挙げていた。しかし、値上げはいまだ国の認可が出ていない。
福井地裁が高浜原発の再稼働を認めない仮処分決定を出すなど予期せぬ事態が続いており、2016年3月期の5年ぶりの黒字は見通せない状況だ。
九州電力も川内原発(鹿児島県)の再稼働に向け、地元同意は取り付けたが、原子力規制委員会から準備不足を指摘されており、7月上旬を目指してきた再稼働はずれ込む見通しで、業績にも影響しそうだ。
原発依存度の高かった関電、九電、北海道電とその他の電力会社。2016年4月にひかえる家庭向け電力自由化に向け、そうした「体力」の違いも問われそうだ。