機内出産の「美談扱い」とんでもない! 産婦人科医「医療トラブル、事故に等しい」と指摘

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予定日28日以内は「健康上の支障がない」と認める診断書

   国交省航空局によると、日本の法律で妊婦の航空機の搭乗を制限する規定はない。対応は航空各社によって異なるという。

   国内の多くの航空会社に共通しているのは、出産予定日28日以内の搭乗時に医師が「健康上の支障がない」と認める診断書の提出だ。また日本航空は7日以内、全日空は14日以内の場合、さらに医師の同伴が必要となる。そのほかスカイマークやピーチなど格安航空会社(LCC)各社も日数の違いはあるが、いずれも診断書の提出や医師の同伴が決められている。

   エア・カナダの場合はどうか。同社によると、経過が順調で、過去に早産の経験がない場合に限り、妊娠36週満了時までの搭乗が許可されるという。ただ、あくまで乗客の自己申告に基づき、今回のケースでも出産後に妊娠期間などは確認していなかったという。

   産婦人科診療所いのうえクリニックの井上純院長はJ-CASTニュースの取材に、

「産婦人科医師としては、まったく笑えないニュースだった。もしも何らかのトラブルがあって、専門的な緊急蘇生の措置が必要だったとすればどうなっていたか」

と指摘する。

「産婦人科医からすれば、機内での出産は事故だと言っても過言ではない。今回はあくまで『たまたま良かったケース』に過ぎない」

と「美談」扱いすることに警鐘を鳴らす。

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