ドローン墜落、今度は「御開帳」の善光寺で 「15歳・お騒がせ配信者」のしわざだった

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   やっぱり、ドローンって危ないモノなんだ――そう勘違いされても、無理はないかもしれない。規制をめぐって議論が続く中、またも騒動が起きてしまった。

   2015年5月9日午前、長野市の善光寺で御開帳の法要中、境内に墜落してきた1機のドローン。操縦していた少年は、実は以前にもネット配信をめぐりたびたびトラブルを起こしていた「お騒がせ」動画投稿者だった。軽率ともいえる行動に、規制に反対するドローン愛好者たちから、怒りの声も上がる。

  • 参詣者でにぎわう善光寺境内。事故当時はさらに多くの人が詰めかけていた
    参詣者でにぎわう善光寺境内。事故当時はさらに多くの人が詰めかけていた
  • 参詣者でにぎわう善光寺境内。事故当時はさらに多くの人が詰めかけていた

実況されていた「墜落の瞬間」

「ちょっと、バッテリーがまずいんで、1回戻しまーす」
「(転倒しかかったと見られる)痛って! (直後、ドローンがコントロールを失う)......え? え? 待ってぇ? え、これ、落っこったくね? 嘘でしょぉ? 嘘だぁ......ちょっと待って、これガチでマズい......」

   その一部始終は、すべてネット上で配信されていた。

   9日10時ごろ、動画配信サイトで15歳少年は、法要に華やぐ善光寺をドローンで上空から撮影する、という生放送を開始した。

   この少年は、ニコニコ生放送などで以前から「生主」といわれる動画配信者として活動している。2月に発生した川崎市での中学生殺人事件の直後には、主犯とされる少年の自宅前で生放送を行い、その行動がマスコミでも取り上げられるなど、「お騒がせ配信者」としてネット上では良くも悪くも有名な人物だった。

   この日撮影に使用されたのは、国内では7~8万円前後の価格で販売されている、仏メーカー製の小型ドローンと見られる。少年は善光寺から少し離れた屋外から、視聴者に自ら「実況」しつつ、上空から見た御開帳の様子を生放送していた。

   撮影は当初順調で、ドローンから送られてくる雅やかな善光寺の様子に、少年も「どうですか、皆さん?」と上機嫌だった。しかし空撮を始めてから約9分後、バッテリー残量を気にして機体を手元に呼び戻そうとした直後、よそ見をしていた少年はバランスを崩す。どうやらその拍子に、手にしていたリモコンの操作を誤ったようだ。ほぼ同時にドローンは操縦不能になり、境内にまっさかさまに墜落した。後は少年の焦る様子のみが映し出され、間もなく動画は終了している。

直前にも禁止されている姫路城で撮影

   幸い、墜落によるけが人や文化財の損傷はなかったものの、一歩間違えば事故になった可能性もある。しかも少年は、ドローン撮影を始めてからのこの2週間ほどの間に、飛行が禁止されている姫路城周辺での撮影を行ったほか、別の日にも街中での撮影中に警察から注意を受けていることが、動画から確認できる。

   4月の「官邸ドローン」事件を機に規制をめぐる議論が本格化する中、こうした軽率な利用者による「事故」が相次いで報じられている。自由なドローン撮影を望む愛好者からは、怒り、そして悲嘆の声が少なくない。

「ああぁぁぁ...一部のマナーが悪い人達のせいでドローン撮影がどんどん規制されていく......空撮のロマンが汚されてゆく.........」
「下手ならドローン飛ばすな、馬鹿か。余計に規制されるだろうが。馬鹿か」
「人の頭上でドローン飛ばすな!こういう馬鹿が余計な規制の元凶になりきちんと安全考えて飛ばしている私らがとばっちり受ける」

   読売新聞(5月9日付朝刊)が報じたところによれば、政府はドローン購入者に氏名や住所の登録を求めるとともに、高性能機については国家資格「第3級陸上特殊無線技士」の取得を義務付ける方針だという。なお、「官邸ドローン」事件や今回の騒動に使われた機体は、免許の対象外となる見込みだ。

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