多くがビジネスマン、1時間くらいの「ちょい飲み」
「吉呑み」の実施店は、一見すると通常の牛丼チェーン店の吉野家と変わらないが、居酒屋にはつきものの「赤ちょうちん」や看板がさりげなく出ている。
ゴールデンウイーク前の2015年4月半ば、J‐CASTニュースの記者が実際に「吉呑み」を実施している吉野家市ヶ谷店に、仕事帰りに立ち寄ってみた。
店内は、20席弱のカウンター席の7割ほどが埋まっていて、1、2品のおつまみとビールで1日の疲れを癒すビジネスマンらしき男性がカウンターでテレビを見ている。
来店客の年齢層は、若者から60代まで幅広いが、どうやら1人かごく少人数で来店するお客が多い。中には近所らしき人もいたが、お客の多くが「軽く1杯」の、1時間以内くらいの「ちょい飲み」客のようだった。
メニューは、マグロの刺し身や子持ちシシャモなどの魚類や、メンチカツやフライドポテトなどの揚げ物に枝豆などのおつまみ類と、思ったよりも豊富。とはいえ、オススメはやはり「牛すじの煮込み」と「牛すい」(大阪名物の牛肉スープ)といったボリューム感のある牛肉メニューで、定番の「牛皿」が人気という。
価格は300~350円が中心で、100円、200円の品も少なくない。大勢でつまむには少ないが、一人で飲むにはちょうどよい量。酒類も生ビールや焼酎、ハイボールなどが300~400円程度なので、1000円前後で楽しめる。
また、「吉呑み」には居酒屋で付きものの「お通し(先付け)」がない。通常、居酒屋であれば、席に着くだけで「お通し」代がとられるが、「吉呑み」にはお通しがないので、「その分、自分の好きなメニューを1品たのんでもらったほうがいい」と話す。