日本株2万円の攻防 相場の格言「5月売り」は当たるのか

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「円安ドル高」のシナリオは崩れていない・・・

   日本株を2万円台に押し上げたのは、外国人投資家の存在が大きい。東京証券取引所の2015年4月第4週(20~24日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家の買越額が15年に入って最大の7079億円となり、4週連続で大幅な買い越し。4月の買越額は2兆円を超えた。

   一方、個人投資家や信託銀行(年金積立管理運用独立行政法人など年金基金)はともに4週連続の売り越し。全体としても売り越しで、個人投資家と信託銀行の「利益確定売り」を、外国人投資家が「買い支えている」といった状況にある。

   前出の第一生命経済研究所の藤代宏一氏は、そんな強気だった外国人投資家が「(日本株の投資に)慎重になってきた可能性があります」と話す。

   その原因の1つが米国経済の伸び悩みだ。4月29日に発表された15年1~3月期の米国の実質国内総生産(GDP)の速報値は市場予想を下回った。景気の先行きに不安が広がったことに加えて、「米国では最近、バブルを警戒する向きもあります」(藤代氏)とのことで、「明らかな調整局面にあります」という。

   それに伴い、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げのタイミングが6月から9月以降へとずれ込みそうな見通しで、「米国経済が強くなり、円安ドル高がさらに進んで日本株が上がる」というシナリオが成り立たなくなる可能性が出てきた。

   日本国内でも、企業収益が恩恵を受けていた原油安のメリットが薄れてきている。

   なにやら、「5月売り」に拍車がかかりそうな状況だが、藤代氏は「3か月や半年、ずれ込んでも利上げはあることは間違いありませんから、『5月売り』があるとしても調整程度にとどまると考えています」と話す。

   ちなみに、5月8日のドル円相場はやや円安の1ドル119円~120円前後で推移している。

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