慰安婦の証言内容は「さまざまで、記憶もそれ自体は一貫性をもっていません」
声明では慰安婦という単語は、すべて「慰安婦」と鍵括弧でくくられ、「性奴隷」という単語は登場しない。その数についても「恐らく、永久に正確な数字が確定されることはない」し、その証言の内容についても「さまざまで、記憶もそれ自体は一貫性をもっていません」などと一定の条件を付けるなど、日本側にも配慮されていると言える。
ただ、こういった数や記憶のあいまいさに関する議論は枝葉末節だと受け止められている模様で、全体として過去の日本側の責任を指摘していると言える。
「日本帝国とその戦場となった地域において、女性たちがその尊厳を奪われたという歴史の事実を変えることはできません」
「大勢の女性が自己の意思に反して拘束され、恐ろしい暴力にさらされたことは、既に資料と証言が明らかにしている通り」
終盤には、2015年という年を、
「日本政府が言葉と行動において、過去の植民地支配と戦時における侵略の問題に立ち向かい、その指導力を見せる絶好の機会」
と位置付け、安倍首相の4月の米議会演説では、
「人権という普遍的価値、人間の安全保障の重要性、そして他国に与えた苦しみを直視する必要性」
について触れたことを評価しながら、具体的な行動を求めた。
「私たちはこうした気持ちを賞賛し、その一つ一つに基づいて大胆に行動することを首相に期待してやみません」
ただ、韓国メディアはこういった点には触れず、
「米国訪問を正常に終えたと自己評価している安倍首相に一撃を与えるとみられる」(朝鮮日報)
「世界の著名な歴史学者187人が日本の慰安婦問題歪曲の試みを厳しく非難した。安倍首相の真の謝罪も求めた」(KBSニュース)
などと単純に日本側を非難するにとどまっている。