やしきたかじんさんが理事長を務めていた一般社団法人「OSAKAあかるクラブ」は、これまでの説明から一転し、妻さくら氏から2億円の「遺贈を放棄して欲しい」と申し出があったと発表した。また両者の間で行われた協議について、合意にいたらなかったことを明らかにした。
たかじんさんが大阪の活性化を期待して遺贈した2億円だったが、「自分が生きてきた証」と願いを込めたプロジェクト「たかじんメモリアル」はいまだ実現できていない。
さくら氏「新法人で『たかじんメモリアル』の設立を行いたい」
この2億円の使い道についてたかじんさんは、「OSAKAあかるクラブ」が一部公開している遺言書にこう記している。
「金2億円を、自分が生きてきた証として、『たかじんメモリアル』を設立し、大阪のために頑張ってくれた人に対して表彰し、金100万円から500万円を授与するものとするが、当面の運営は大阪あかるクラブが行うため、同法人に遺贈する。運営が順調になれば新法人を設立することを希望する」
しかし、クラブが2015年5月7日に公式サイトで発表した文書によると、妻さくら氏から、
「新法人で『たかじんメモリアル』の設立を行いたいので、OSAKAあかるクラブには遺贈を放棄して欲しい」
と申し出があったという。
これを受け、クラブは遺贈放棄の選択肢を含め、「たかじんさんのご遺志を全うできるのであれば」とさくら氏側と協議を行った。しかし新法人でのクラブの役割や2億円の使途をめぐり、両者は合意にいたらなかったという。
さくら氏の申し出については、すでに週刊朝日(14年12月26日号)やサンデー毎日(12月28日号)がクラブ関係者の証言をもとに報じていたが、15年4月27日のイベントで、クラブ理事の1人が否定していた経緯があった。クラブは今回の発表で「不正確なコメントをしてしまいました」と謝罪した。