1匹の赤ちゃんザルの命名をめぐり、騒動が巻き起こっている。
野生のニホンザルの餌付けで知られる高崎山自然動物園(大分市)が2015年5月6日、生まれたばかりのメスの赤ちゃんザルに英国王室の王女と同じ「シャーロット」と名付けたところ、苦情が相次いだのだ。
「天皇家だったら」「外交問題に影響するのでは」
同園では毎年、最初に生まれた赤ちゃんザルに、その年の出来事や話題にちなんだ名前を付けている。出産シーズン前の春先から一般公募し、票数の多いものを選ぶ。
2015年は3月27日に募集を開始。応募総数は5月6日までに853通にのぼっていた。
テニスの錦織圭選手にちなんだ「ケイ」やお笑いコンビ「8.6秒バズーカー」のネタにちなんだ「ラッスン」、2015年の下2ケタに合わせた「イチゴ」などが人気だったそうだが、英国王室が王女の名前を発表した4日以降、「シャーロット」の票数が急増。59通でトップとなり、これを採用した。
ところが発表後、同園にはメールや電話で苦情が殺到した。園の担当者によれば、
「天皇家の方々のお名前を外国のサルに付けられたらどんな気持ちか」
「サルの名前にするのは英王室に失礼だ」
「外交問題に影響するのではないか」
といった意見が数多く寄せられた。そのため同園は同日中にお詫びし、名前も再検討することになった。なお、苦情は7日時点で300件以上にのぼったという。
もっとも命名に悪意はないことから、「かえないでほしい」という声もあるそうだ。また、公募で1番になった名前なのだから「覆すのは投票した人に失礼ではないか」という意見も届いているという。
園としてもあまりの反響に困惑しているようで、
「回線が2本しかないため、電話がなかなかつながらないという苦情もあります。当園としてはできる限り早く結論を出せればと考えております」(担当者)
現在は関係機関と協議を進めており、総合的に判断して、近く決定する予定とのことだ。
小倉智昭は騒動に疑問「それだけ期待されている」
インターネット上でもさまざまな意見が上がっている。
「猿にシャーロットはさすがに...」
「英国との友好関係が崩れそうな心配」
「イギリスの動物園の子猿に『アイコ』とか『カコ』とか名付けられたらエライ騒ぎになるな」
と問題視する声もある一方、
「それなら、他の名前なら他の人に失礼だろ」
「どこが失礼なのか意味が分からん。猿を差別するなよ」
「名前は自由でいい」
という声も少なくない。サル以外の動物だったらこれほど問題視されなかったのではないかとの指摘も出ている。
騒動を取り上げた7日放送の「とくダネ!」(フジテレビ系)では、司会の小倉智昭さんが、
「おかしいと思いますよ。『シャーロット』を希望する人が一番多かったわけでしょ?いろんな動物園でエリザベスとかダイアナとか付いている動物かなりいると思いますよ。それだけ期待されているわけで別に失礼だなんて考えなくていいんではないかと僕は思いますけどね」
と問題視に疑問を投げかけた。
ちなみに、これまでの第1号赤ちゃんの名前は「ユータロー」(山口百恵さんの長男から)、「カズ」(サッカーの三浦知良選手から)、「ゴールド」(長野オリンピックの金メダルラッシュから)、「キズナ」(東日本大震災からの復興を願って)など。