日銀審議委員の後任は「円安」派 無難な人選だが官邸サイドの思惑は貫かれた

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

自動車業界からは初めて

   ただし、官邸が譲れなかったのは「円安否定論者ではないこと」(関係者)。トヨタをはじめ、自動車メーカー各社は円高局面の際、日本のものづくりの「六重苦」の一つに円高を挙げ、円高を是正する政策を求めていた。日銀の異次元緩和とその後の追加緩和で急加速した円安の追い風を受け、トヨタ自動車の足元の業績は絶好調だ。布野氏の金融政策に対する考え方は明らかになっていないが、「少なくとも現在の緩和路線を支持するだろう」(アナリスト)との見方が強い。金融緩和の恩恵を最大限に受けているトヨタの関係に白羽の矢が立ったのは自然な成り行きだったといえる。

   これまで産業界枠の審議委員の出身母体は銀行や商社、エネルギー業界などで、自動車業界は初めて。布野氏は海外駐在経験も長く、トヨタのグローバル戦略を推し進めた国際派で、世界経済の知見も豊富だ。衆参両院で人事案が同意されれば、布野氏は7月から金融政策決定会合に加わることになる。黒田東彦総裁の「綱渡り」の金融政策運営への援軍となるのか、そのスタンスが注目される。

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