酒安売り規制で「町の酒屋さん」救えるか 「過度な安売り」に行政が介入、消費者にメリットは?

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「安売りは企業努力によるも」と反発も

   スーパーや酒の量販店は、量をさばけるのが最大の武器。メーカーとの価格交渉を有利に進めることができ、「小規模酒販店の仕入れ価格よりも、大規模量販店の小売価格の方が安い」(東京都内の酒屋店主)という状況もある。ビールやチューハイなど単価の低い商品を、小規模酒販店で買う人は少なくなっている。

   国税庁は2006年、酒類の「不当廉売」を規制し、公正な取引を促す指針を示した。業者を調査・指導してきたが、法的な強制力や罰則規制はないため、小規模酒販店から規制強化を求める声が出ていた。

   一方、大規模量販店からは「安売りは企業努力によるもので、行政が口を出すのはおかしい」と反発の声が高まりそうだ。そもそも、規制の対象となる「過度な安売り」の線引きは極めて難しい。実際に規制が強化されれば、量販店側が自主規制し、販売価格の上昇を招く可能性がある。そうなれば、価格重視の消費者から敬遠され、酒類市場の縮小に拍車をかけかねない。

   小規模酒販店からも「仮に規制が強化されたとしても、大手の価格の方が相対的に安いという状況は変わらない」との声が漏れる。価格で大手と勝負するのは困難なため、店主の豊富な商品知識など、大手にはまねのできない価格以外の付加価値で勝負すべきだとの意見も根強い。

   「問題点が多い」と指摘される今回の改正案。国会でどのような議論が交わされるのか、注目が集まりそうだ。

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