国産ジェット旅客機MRJ、初飛行計画が4度目延期、大丈夫か 「パリ航空ショー」に間に合わなくなった!

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   国産ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の初飛行が、従来の2015年4~6月予定から、9~10月に延期になった。開発主体の三菱重工業の子会社、「三菱航空機」(愛知県豊山市)が4月10日に発表した。

   ANAホールディングスへの初号機の納入時期の2017年4~6月に変更はないというものの、何が起きるか分からないのが、航空機開発の世界だ。納期を死守すべく、MRJ開発はいよいよ正念場を迎えている。

  • 機体の完成度を高めることを優先(画像はMRJのロールアウト式典)
    機体の完成度を高めることを優先(画像はMRJのロールアウト式典)
  • 機体の完成度を高めることを優先(画像はMRJのロールアウト式典)

「開発の遅れではない」

「実際に初飛行をする際の機体の完成度を高めることを優先した」

   4月10日に記者会見した三菱航空機の岸信夫副社長はこう述べ、今回決定した初飛行の再延期は、開発が遅れているからではない、と強調した。岸副社長は「大きなトラブルが起きているわけではなく、初飛行の遅れではない。(スケジュールの)見直しだ」とも説明した。

   MRJの開発は現在、最終段階に来ており、エンジンや電子機器、動力機械などがうまく連携して作動するかどうかを確かめる試験を進めている。また、機体の強度などが設計データと試験データとの間にズレが生じていないかなども点検し、最終的な機体製造に反映させる。

   岸副社長らの説明によると、こうした試験を行うなかで、非常用発電装置の取り付け部などに構造変更を行う必要があることが明らかになった。それらの構造変更を反映し完成度の高い機体で初飛行に臨んだ方が、初飛行後の改修点が減るだけでなく、初飛行後に必要となる飛行試験をよりスムーズに進めることができる、と判断した。従って、想定外の大きなトラブルでスケジュールが遅れるのではなく、納期は守れるというのだ。

   MRJの開発スケジュール変更はこれで4回目だが、確かにこれまでは部品調達の遅れなど、「相手のある話」によるものが主因。これに対し、今回は自らのコントロール可能な範囲での見直し、という点は違うと言える。

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