観光スポットとして人気の箱根山(神奈川県)で異変が起きている。2015年5月3日の気象庁発表によると、4月26日以降、大涌谷付近を震源とする火山性地震が急増し、5月3日朝には大涌谷で蒸気が勢いよく噴き出しているのを確認したという。
これを受け4日はハイキングコースなどの一部が閉鎖された。
「黒たまごもゲット出来ず」「がっかりです」
大涌谷付近を震源とする火山性地震は4月1日以降に約150回起きており、特に4月26日からは多発している。5月3日には蒸気噴出も確認された。気象庁では「今後、大涌谷付近で小規模の噴出現象が突発的に発生する可能性がある」とみて注意を呼びかけている。
これに伴い、地元自治体は4日5時から大涌谷自然研究路と一部ハイキングコースの閉鎖を決定。名物の「黒たまご」も販売中止となってしまった。販売会社に電話取材すると、黒たまごは4か所で販売しているが、商品を製造している売店が自然研究路内にあるため、立ち入り規制が解除されるまでは販売できないと話した。
情報番組等の4日の現地レポートでは、霧や蒸気の影響からか視界が悪く、風の強い様子がうかがえた。
観光客らはツイッターで
「めっちゃ風強かった」
「よりによって立ち入り規制とは!がっかりです」
「大涌谷来たけど、霧で何も見えない」
「遊歩道も入れず黒たまごもゲット出来ず残念」
などと投稿している。
伊豆諸島近海では津波観測
気象庁は現時点での噴火の兆候はないとみており、噴火警戒レベルは「1(平常)」を維持している(3日発表)。4日午前からは機動観測班が火山ガスや地熱の調査を行っており、同日夕方には最新の情報を発表する予定だ。箱根山では2013年2月にも地震活動が活発化するなど、短期間に地震が集中するケースが過去にたびたび起きている。
なお、5月3日13時50分ごろには東京・伊豆諸島の鳥島近海を震源とする地震があった。八丈島では最大50センチの津波を観測した。大涌谷の地震との関連性はないものの、ゴールデンウイーク真っ只中に立て続けにあった地震の話題に心配する声も出ている。