カゴメが米食品会社買収 海外M&Aは、味の素など幅広い食品企業に広がる

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国内市場の低迷で海外へ

   味の素が2014年11月に全株取得したのは、米国テキサス州の冷凍食品メーカー「ウィンザー・クオリティ・ホールディングス」。買収額は約870億円で、味の素として過去最大の案件だ。味の素は得意のうまみ調味料や飼料用アミノ酸を武器に、既に海外売上高比率が5割程度に達しているが、今回の買収をバネに7割にすることを目指す。

   味の素が買収したウィンザー社は中華・アジア料理に強みを持つ。味の素自身は、米国で健康志向の人々の間で関心の高い「和食」の冷凍食品が強みで、米国でも着実に販売を積み上げている。味の素としては、ウィンザー社が全米に張り巡らせた販路を活用して一気に和食冷食の市場を拡大することを目論む。

   一方、昨年夏に自社の年間売上高(2014年2月期で1642億円)を上回る約2150億円の買収に踏み切ったのは「味ぽん」で知られる調味料大手のミツカン。対象は英蘭ユニリーバの北米パスタソース事業だ。海外売上高比率は一気に過半となる。ミツカンは味ぽんを米国で売りまくろうとしているわけではないが、味ぽんが肉料理などに用途を広げた経験を生かし、パスタソースの用途拡大にも挑む。

   国内市場の低迷は食品のような日本の内需産業による海外企業買収を後押ししており、円安の逆風下でもやむ気配はない。今後もさまざまな案件が出てくるとみられている。

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