テレ朝系「報道ステーション」の古舘伊知郎キャスターが、ネパール大地震の被災者にドローンで物資を届けるべきだと番組内で提案して、論議になっている。「そんなに荷物運べない」などと疑問の声が多いが、実際に可能性はあるものなのか。
古舘氏の発言が出たのは、2015年4月29日夜放送の報道ステーションで、救援物資がほとんど届かないネパールの村の惨状を伝えたときだった。
「ドローンってそんなに荷物運べないでしょ」
現地の映像紹介の後、古舘氏は、水も食料も薬も足りておらず、夜には冷え込んで雨が降るのにテントも足りないとして、この村の現状を憂慮した。そのうえで、「そんな簡単じゃないって言われるの、分かってるんですけど」と断ったうえで、次のように訴えた。
「やっぱり国際社会がここ1つになり、ドローンをこうね、大量にできるだけ用意して、まずは物資をこう上からということでもまずやらないと、本当に命を失う人が多く、さらに出るような気がしてならないんですけどね」
この発言を補足して、小川彩佳アナも「こういうときこそ、最新の技術を活用してというところですよね」と相槌を打っていた。
古舘氏の発言が一部で報じられると、ネット上では、ドローンで救援活動をすることについて異論が相次いだ。「可能性を検討するのはよいと思うなあ」といった声もあったものの、多くは疑問や批判の書き込みだ。
「ドローンってそんなに荷物運べないでしょ」「ヘリでいいのに何考えてんの」「ドローンって言いたいだけちゃうんか」
ドローンを中国から輸入・販売しているジーフォースでも、現段階では救援活動に向いていないとの見方を示した。
「ドローンは、大きなものなら、数キロから15キロは飛びます。しかし、水や食料を運ぶとしたら、カメラやセンサー、GPSなどを外さないとそこまで飛ばすのは難しいでしょう。コントローラーから手動で飛ばすことになり、そもそも遠くには行けません。ヘリや軍用機からパラシュートで物資を届ける方が効率よくできると思います」