「ピッチにいても、誰も気づかない存在」 不振の本田圭佑、代表落ちもささやかれる

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   サッカー日本代表、本田圭佑選手が窮地に立たされている。所属するイタリア1部リーグ(セリエA)・ACミランで精彩を欠き、放出説まで流れ始めた。

   不振が続けば、「ゼロからのスタート」がうたわれている日本代表の椅子も、決して安泰とは言えなくなる。

  • ACミランでの不振が日本代表入りに影響する恐れも(写真:Enrico Calderoni/アフロ)
    ACミランでの不振が日本代表入りに影響する恐れも(写真:Enrico Calderoni/アフロ)
  • ACミランでの不振が日本代表入りに影響する恐れも(写真:Enrico Calderoni/アフロ)

チームが機能しないと実力を十分発揮できない

   ミランで5戦ぶりに先発出場を果たした2015年4月29日、本田選手は見せ場をつくれず途中交代となった。チームも敗れ、ファンはブーイングを浴びせたという。地元紙も、さえない本田選手のプレーを酷評し「彼もいたが、誰も気づかなかった」と書かれる始末だ。

   2014年8月31日の開幕戦でゴールを決めて以降、7試合で6得点と絶好調だったが、その後は無得点。躍動しない「背番号10」にファンも業を煮やす。2015年に入ってからはフル出場するゲーム数が徐々に減り、4月初めには足首捻挫で離脱。今回の復帰戦は、沈滞ムード漂うチームの起爆剤と期待されていただけに周囲の落胆も大きかっただろう。

   代表の試合でも、結果はいまひとつだ。象徴的だったのが、2015年1月のアジア杯。ベスト8で対戦したUAE(アラブ首長国連邦)との試合はPK戦にもつれ込み、1人目に登場した本田選手が蹴ったボールはゴールのはるか上に飛んでいった。最終的に日本はまさかの敗戦で、アジア杯連覇の夢は破れた。この大会中、「審判を批判した」としてアジア・サッカー連盟(AFC)から罰金を科せられるという「おまけ」までついてしまった。

   「代表も『戦力外』危機」(日刊ゲンダイ)、「代表でもサブ降格か」(東京スポーツ)――。調子の波に乗れない本田選手に、マスコミも騒がしくなってきた。専門家はどう見るのか。「フットボールレフェリージャーナル」を運営するサッカージャーナリスト、石井紘人氏は「代表戦を見る限り、決して動きは悪くなかった」と話す。ミランで輝けないのは、チーム状態のひどさが原因だとみる。本田選手の場合、卓越したドリブルや人並み外れた上背といった「武器」があるわけではなく、ピッチ上でチームメートと連携を取りながら好プレーにつなげるタイプだ。メッシ選手やロナウド選手のように、1人で突破口を切り開く選手ではないので、チームとして機能していないと自身の実力を十分に発揮できないと指摘する。バラバラなミランの「巻き添え」となっているとも言える。

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