ヤンキースの田中将大が右腕の故障で戦列離脱。精密検査を受けて決断したものだが、復帰は1か月後という。手術も、との見方もある。
突然の球団発表だった。2015年4月28日のことで、レイズ戦の登板前日のことだった。
不安を抱えたままキャンプ、オープン戦をこなす
「右手首の炎症」
「右前腕部のハリ」
これが症状で、15日間の故障者リストに入った。前回の登板内容が良かっただけに、田中本人が驚いている。
「せっかく調子が上がってきただけに残念。早く治して戻って来れるようにしたい」
異変を感じたのは28日の朝。田中によれば、朝起きたときに痛みを感じた、という。前日にも違和感があったらしく、1日経って異常事態になり、精密検査を受けた。
ヤンキースは28日のレイズ戦の試合前、田中の名前が入ったシャツを観客に配り、29日の田中先発のデモンストレーションをしていた。その直後の離脱決定だけに、球団もファンもショックを受けている。
田中は昨年7月、右ヒジ靱帯の部分切断で戦列を離れたことがあった。手術を免れたが、ずっと不安を抱えたままキャンプ、オープン戦をこなした。再発の可能性はどうなのか。
「検査の結果は、そうではない、ということなので安心した」
田中のコメントである。しかし、周囲の見方は不安そのものである。とりわけ、ジラルディ監督は険しい表情を見せた。
「復帰して、ローテーションに戻るまでは、1か月はかかるだろう」
現時点では、とりあえず1週間はボールを握らないこと、と医師に命じられており、調整メニューは患部の様子を見ながら決めるという。