中国検索最大手の百度(バイドゥ)が2015年3月16日、日本語版の検索サービスを終了していた。
3月10日の段階で、公式サイトで「サービスのご提供を終了」すると発表していたのだが、多くのネットユーザーに気付かれず、7年あまり続いていたサービスはひっそりと幕を閉じた。
検索エンジンは13年8月以降、メンテナンスしていなかった
これまで「Baidu.jp」では、中国語版同様、検索ボックスが表示されるデザインだったが、現在は会社概要や事業案内などが掲載される企業サイトが表示されている。
百度の検索サービスは中国でグーグルが締め出されていることもあり、圧倒的なシェアを誇っている。しかし日本の検索エンジン市場では、ヤフーやグーグルに遅れを取り、認知度が上がらず苦しい戦いが続いていた。
今回の終了騒ぎも、ツイッターなどネットでは「・・・そもそも日本でやってたのを知らなかった」「百度で検索する人なんていたのかな?」と言われる始末だ。
同社日本法人の広報担当者は苦戦を認める一方、終了のタイミングについては「企業サイトのリニューアルに合わせたもの」と説明する。すでに検索エンジンは13年8月以降、メンテナンスを行っていなかったという。さらに、
「好調なスマートフォン向け日本語入力アプリ『Simeji(シメジ)』にリソースとコストを集中させていく方針だ」
と語った。「Simeji」は変換機能や豊富な顔文字のバリエーションなどが特長で、すでにアンドロイド、iOS版の合計でダウンロード数は1400万を超えている。3月26日には大容量のローカル辞書や新デザインを搭載した1080円の有料版をリリースしたばかりだ。
「今後も中国進出を検討する企業をサポートしていく」
また一部ニュースサイトで「日本から撤退」と報じられたことについて、
「撤退するのは検索サービスのみ。誤解が広まっているが、今後も日本で事業は継続する」
と否定した。
「Simeji」のほかに、法人向けの広告サービスも事業の柱だ。検索広告や訪日する中国人観光客向けに旅行サイトなどで広告出稿を案内するなど、「今後も中国進出を検討する企業をサポートしていく」と話している。
具体的な数字は明かさなかったが、検索サービス終了による売り上げ面での影響はほとんどないという。