自前で通信回線を持たずにモバイル通信サービスを提供す事業者、MVNOが好調だ。
総務省が2015年3月31日に発表した報道資料によると、昨年12月末時点のMVNO契約者数は892万件で、前年に比べて30%以上という大幅な伸びを見せている。本年5月以降に発売される端末からはSIMロックの解除がキャリアに義務付けられることから、ますますの拡大が予想される。
低価格でも高品質
人気の最大の理由は通信料金の安さだ。格安SIM大手の「楽天モバイル」を例にとれば、通話ができないデータSIMで月額525円〜、通話もできる通話SIMで月額1250円〜のプランが用意されていて、キャリアが提供しているプランと比較した場合、月々の利用料金は約1/3以下に抑えることが出来る。さらに、利用開始初月無料や、月々の利用料金100円ごとに楽天スーパーポイントが1ポイントたまるなど、楽天グループならではのお得なサービスがついている。ただ安いだけではない。MVNOへ回線を供給しているのは、NTTdocomoやKDDIなど大手通信キャリアであるため、通信速度・音声通話の品質共にキャリアの回線と遜色ない。
そのため、移動の多いビジネスマンでも、格安SIMだから通信ができないということはないので、ビジネスシーンでの利用も増えているという。
特に、現在docomoの端末を所持しているユーザーは、多くのMVNO事業者がdocomo回線を利用しているため、格安SIMに差し替えればそのまま通信ができてしまい、乗り換えが容易だ。