マツコ・デラックスさん(42)と有吉弘行さん(40)がテレビ番組で、テレビ局の報道担当者はエラそうだ、などと批判を繰り返した。マツコさんらを「バラエティーだろ、お前ら!」とバカにし、犬を見るような目で見下しているのだという。
それに比べてバラエティーの担当者は腰が低く、いい人ばかりだ、というのだ。この話を聞いて、テレビ局の裏側が分かり、問題だと感じた人も多かったようだ。
「犬、犬みたいなもんだよ。犬ぐらいの感じで」
2人が出演したのは2015年4月22日放送のテレビ朝日系「マツコ&有吉の怒り新党」。まず有吉さんが、テレビ局のエレベーターで大きな声で話しているのはだいたい報道担当者だ、と切り出した。政治家の悪口などを言っているのだという。マツコさんは、報道担当者が大きな声を出している理由は、自分たちは政治家と繋がっているという事を自慢したいからだとした。自分たちに対して報道担当者は、
「ちょっと見下した、みたいな顔をしてくるのよ。なんだコノヤロー、バラエティーだろお前ら、みたいな」
といった感じで接してくるという。有吉さんは報道担当者が、あんな奴に何を説明したって分かりゃしねえよ、という感じで接してくるとして、
「犬、犬みたいなもんだよ。犬ぐらいの感じで。うるさいなあ、これなんだ!?という人は、(エレベーターで)降りる階数が決まっている」
と苦笑した。マツコさんも、
「それに比べバラエティーの連中は腰を低くして入って来るよ。すみません、久しぶりですねぇ~とか言って臭いADとかが入ってくる。本当に報道はエラそう」
と同意した。司会の夏目三久さん(30)が、「そんな人ばかりじゃないですからね」と否定したが、マツコさんは、
「だいたいそうだよ。だいたい!」
とダメ押しした。
こうしたやり取りをネットでは、「思った通りだ」「テレビ局の裏側を知った」といった感想を抱く人もいる一方で、
「お前が1番偉そうだろカマデブ」
「腰の低いバラエティ班も外に出るとクソ偉そうにしてるけどな」
などとマツコさん達の発言に首を傾げる書き込みも結構出ている。
バラエティーの現場で働くスタッフは殆どが低賃金で働いている下請け
テレビ局の報道担当者は本当に偉そうなのか。芸能評論家の肥留間正明さんに聞いてみた。
テレビ局の報道部門とバラエティーなどエンタメ部門の現場は明らかに雰囲気が違う、と指摘した。報道は硬い雰囲気があるうえ、将来エンタメ担当者より出世して重役になっていくケースが多いため、エリート意識が強い。一方で、民放の番組の中心といえばエンタメ系。報道担当者にはエリートゆえに、タレントを見ると、
「こんな奴らが偉そうに、ろくな芸もないのに高額なギャラを持って行きやがって」
などと感じていてもおかしくない、と肥留間さんは見ている。
そうした中で、マツコさんらの会話の中に欠けている点があるのだそうだ。それは、報道担当者の殆どが局の正社員だということ。バラエティーの現場で働くスタッフは殆どが低賃金で働いている下請けで、バラエティーのADはいい人ばかりと言っているものの、仮にマツコさんに不満があっても何も言えない立場だ。局には正社員のプロデューサーがいて、タレントにとっても「神」のような存在。マツコさんに対しては「バラエティーも報道と同じで威張っているでしょ!?」と言いたい、というのだ。実際、報道担当者より遥かに威張っている人もいるそうだ。