ドローン、「妨害電波」で撃退できる? その技術的、法的問題を検証

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妨害電波を使うためには、法改正などが必要

   今回、ドローンの発見が大幅に遅れたのは、レーダーに映らなかったためもあるらしいというのだ。そのうえで、佐々淳行氏は、次のように提言した。

「ドローンの電波を妨害する『妨害電波』というのを考えればいいんじゃないですか。それを現実の装備化して、現場をやっている警察だとか自衛隊に渡しておくことね」

   ロイター通信の2月9日付コラム「『ドローンの脅威』を理解すべき理由」によると、防衛問題に詳しい米国人ブログ編集者は、米大統領シークレットサービスでは、車両に隠し込んだ無線通信妨害装置をすでに使っていると明かした。同一周波数を使った2つの機器は信号が干渉し合い、混信状態となる原理を使ったもので、これを使ってドローンを無力化できるというのだ。

   日本では、行政機関などが妨害電波を使うことはできるのか。

   総務省の移動通信課では、一般論だとしたうえで、ドローンなどにはいくつかの周波数が使われており、前出のような混信の原理を使えば、妨害電波を発生させられるとした。GPSを使っている場合は、こうしてもドローンは飛べるが、GPSと同じ周波数の妨害電波を使えば、位置情報が分からなくすることはできるという。

   しかし、日本では、他の無線を妨害してはならないことが「無線局の開設の根本的基準法」第6条の第6項で決められており、行政機関なども例外ではない。妨害電波を使うためには、法改正などが必要になってくるようだ。

   もっとも、妨害電波を発すれば、他の電子機器と電波干渉する恐れも指摘されている。GPSなら、携帯電話などの位置情報が使えなくなる問題も依然として残る。いずれにせよ、何らかの対策が求められそうだ。

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