武田鉄矢、「原発再稼働の阻止」へ大説教 「1日6時間、TV放送やめる覚悟を」

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   歌手でタレントの武田鉄矢さんの原発再稼働をめぐる発言が、インターネットで話題になっている。

   原発再稼働をめぐっては、2015年4月14日に福井地裁で、関西電力に運転を停止している高浜原発3、4号機の再稼働を差し止める仮処分を決定。一方、九州電力川内原発1、2号機の再稼働をめぐっては、鹿児島地裁が4月22日、運転差し止めを求めた住民の仮処分の申し立てを却下。2つの原発をめぐり、異なる司法判断が下されている。

  • 「覚悟」はあるのか…(画像はイメージ)
    「覚悟」はあるのか…(画像はイメージ)
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原発の再稼働反対「そういう簡単な話ではなくなった」

   武田鉄矢さんの発言は4月19日、フジテレビ系で放送された「ワイドナショー」でのこと。福井地裁で高浜原発の再稼働を差し止める仮処分の命令が下りたことにふれ、「たとえば、私どもはテレビ局で仕事しておりますけど、テレビ局にやっぱり電力を消費しないために1日6時間、放送をやめるとかっていう覚悟が各局にあるかとか、そういうことまでも込みで考えて『原発再稼働を認めず』というような決心をすべき」と指摘した。

   武田さんは、「原発事故が取り返しのつかないことになってしまうのは国民全員が十分知っているから、『原発を止める』ことが正しい答え」としながらも、経済的な事情などもあって、現実的には「(再稼働の中止は)そう簡単にはいかない」と話した。

   どうやら原発の再稼働を中止するにしても、電気代のいっそうの値上げなど経済的、また生活にも支障をきたす可能性があることを、国民自身が「覚悟」する必要があるという趣旨のようだ。

   インターネットには、

「経済的な問題も勘案したうえでの判決だと思いますが・・・」
「原発再稼動に反対だが、日本国民の民意は再稼動やむなしだ。3度の国政選挙で大勝した自公政権、そして反原発を打ち出した政党や候補は惨敗している事実は無視できない」
「タイミングよく原油安になったから助かったけど、原油価格が元にもどったときが怖いね。政府としては早めに(原発を)動かして、その時のダメージを緩和しときたいんだろうけど」
「国策として原発は廃止すると英断すればいい。技術的なことは電力会社にまかせよう。そのための補助なら納得すると思いますよ」

といった声が寄せられている。

2030年の電力構成 再生エネルギーと原発の「差」わずかに

   一方、武田鉄矢さんの発言が、テレビ局が放送している番組内容への苦言ではないか、との見方もある。

   インターネットでは、

「彼が言いたいのは、どうでもいい、とるに足らないような番組を消せということでしょう」

との声もある。

   とはいえ、「テレビ局が放送時間の短縮に取り組むべき」との議論は、東日本大震災後の東京電力・福島第一原発の事故で、夏の電力不足が懸念された2011~12年にかけて巻き起こったことがある。

   当時の目的は「節電のため」なのだが、武田さんの発言はいわば、そのときの議論を蒸し返すようなもの。そう感じている人は少なからずいるようだ。

   たとえば、テレビ局が放送にかける電力や、テレビが家庭の消費電力のかなりの割合を占めているとされたことから、「深夜放送の中止」や「昼の時間帯の番組を輪番で放送する」などの声があった。

   電車の運行を間引いたり駅のエスカレーターを止めたりすると生活に影響するが、ある時間帯のテレビ放送がなくなったからといって困る人はいないのではないか、というのが趣旨。インターネットにはこのときも多くの声が賛否両論、寄せられたが、テレビ局は冷ややかで、とくに検討もしなかった経緯がある。

   政府は2030年時点の望ましい電力構成(ベストミックス)の議論を進めているところ。経済産業省では、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを最大23%、原発を最大22%とする方向で調整しているとの情報もある。

   福島第一原発の事故を踏まえ、再生エネルギーの比率が原発を上回る水準にすることを目指しているが、発電コストが高い再生エネルギーの比率を高めると企業や家庭の電気代の負担が重くなることから、発電コストが低い原子力との差をわずかにした、とされる。原発の電力構成は、東日本大震災前は30%近くだった。

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