英字紙は1面で「(日中)関係に雪解けの兆し」と報じる
会談の形式にも差が付いた。インドネシア、ミャンマーとの首脳会談では、両国の友好関係を示す国旗が首脳の後ろに置かれたが、安倍首相との会談では国旗はなかった。
14年11月に北京で行われた首脳会談でも、ロシアのプーチン大統領や韓国の朴槿恵大統領との会談では国旗があったが、安倍首相との会談ではなかったことが問題視された。この「格差」が残ったことで、関係改善は「道半ば」だという見方も出ている。
同席者でも差がついた。人民日報によると、インドネシア、ミャンマーとの首脳会談ででは王滬寧政治局員、栗戦書政治局員、楊潔チ国務委員(外交担当)が同席している。王氏と栗氏は習氏の最側近だとされる。これに対して安倍首相との会談で同席が報じられているのは楊氏のみ。国務委員は政治局員よりも格下だとされている。
一方、英字紙のチャイナ・デイリーは、トップ項目ではないものの1面で安倍首相との会談について「(日中)関係に雪解けの兆し」という見出し付きで報じている。写真はついていなかった。これに対して、1面にはインドネシアとミャンマーとの首脳会談の記事は載っていない。国内向けには日中首脳会談を抑制的に報じる一方で、国外向けには「日本重視」を打ち出した形だ。