デビットカード、普及に弾みがつく 金融機関の取り組みが本格化

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VISAやJCBの役割に期待

   そんな低迷を打破する役割を期待されるのがVISAやJCBなど国際ブランドのデビットカードだ。VISAデビットは2006年にスルガ銀行が初めて発行し、2013年にメガバンクで初めて三菱東京UFJ銀行が導入して本格展開態勢に入り、現在はりそな銀行など9金融機関が発行。JCBも2014年10月から参入し、千葉銀行など3行が出しており、2015年度中にさらに数行から発行予定だ。

   VISAやJCBのデビットは国内・海外の加盟店(VISA約3800万店、JCB約2700万店)で原則24時間使え、インターネット通販の決済にも利用できる。キャッシュカードをそのまま使えるJデビットに対し、別途専用カードの発行が必要だが、利用範囲などJデビットの使い勝手の悪さを克服したのが大きなポイント。VISAなどのデビットは500~1000円程度の年会費が必要なものがあるが、利用に応じたポイント付与やキャッシュバックなどのサービスも盛んだ。

   金融機関がデビットカードに力を入れる大きな理由は、クレジットカードへの誘導だという。JCBの調査では、20代のクレジットカード保有率は70%超と全年齢平均の86%よりも低いことから、「若年層の取り込みが遅れた銀行やカード会社が、審査が不要なデビットカードでキャッシュレスに慣れてもらい、クレジットカードに手を延ばしていくと期待している」(金融業界筋)。

   預金口座に残す金額を決めてその範囲内でデビットカード払いにして無駄な支出を減らせた、という人もいるといい、欧米では、まとまった買い物はクレジットカード、日常のこまごまとした買い物はデビットカードといった使い分けをする人も多いという。自分に合った使い方を工夫すれば、生活を快適にする効果も期待できそうだ。

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