鳩山由紀夫元首相(68)は2015年4月22日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、安倍内閣が戦後70年の節目に発表を予定している談話について、「結果として緊張感を与えてしまうものになる」と懸念を示した。
鳩山氏は1995年の村山談話や2005年の小泉談話に盛り込まれた「植民地支配」「侵略」といった「キーワード」を盛り込むように強く求め、それが盛り込まれないのであれば談話を「出さない方がいい」とまで述べた。
政界の常識から外れた行動から「宇宙人」とも揶揄される鳩山氏だが、会見終了後、UFO(未確認飛行物体)の存在について「半分信じる」とも明かした。
米国や西欧も安倍首相の「本音」分かっている
70年談話をめぐっては、政府は村山談話と小泉談話の内容を「全体として引き継ぐ」と繰り返している。だが、いわゆる「キーワード」については、安倍首相は2015年4月20日夜に出演した報道番組の中で、
「同じ言葉を入れるのであれば、談話を出す必要はないじゃないですか」
「(歴代談話を)引き継いでいくと言っている以上、もう一度書く必要は私はないと思う」
と否定的な発言をしている。
鳩山氏は、70年談話について、
「大変東アジアの方々に対して結果として緊張感を与えてしまうものになるのではないかと心配している」
と指摘。その理由を、安倍首相の「キーワード」を盛り込みたくないという本音が世界中に伝わり、大きな問題が起こるなどと説明した。
「中国や韓国だけでなく、米国や西欧の国々も、安倍総理の本音というものが分かっている。それだけに、私はもし植民地支配、あるいは侵略戦争という言葉が隠されてしまうと、これは大変に大きな問題になる。すなわち、『言いたくないから、別の言葉を使った』ということになり、大変な問題を引き起こすことになるので、私は、この安倍総理の本音が世界の人々に分かっているだけに、しっかりとしたメッセージを、すなわち植民地支配、侵略戦争という言葉を用いて、しっかりとしたお詫びをする気持ちを心に込めて申す必要があると思う」
安倍首相の本音を引っ込めてでも「キーワード」を盛り込むように求めた形で、盛り込まれなければ談話を出すべきでないと主張した。
「もしそのような明確な言葉をお使いになりたくなければ、70年談話を出されない方がいいと思う」