プロ野球TOTO案に騒動必至「黒い霧」の悪夢がよみがえる

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   スポーツ振興クジ(TOTO)にプロ野球も加えたらどうか。

   国会議員な間で検討されていることが明らかになった。騒ぎになりそうな気配である。

  • 騒ぎになりそうな気配
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背景に東京五輪

「野球は売り上げが計算できる」

   スポーツ議員連盟が2015年4月14日にプロジェクトチームを立ち上げ、プロ野球TOTOの実現に向けて動き始めた。

   この話は20年の東京オリンピックが背景にある。

   新たに建設する国立競技場の改修費を捻出しるための資金集めで、確実に収入が見込めるプロ野球に狙いをつけた。

   TOTOといえばサッカーのJリーグで知られる。昨年の売り上げは約1100億円。このうち150億円ほどをスポーツ施設の改修費などに充てた。

   東京五輪に向けて競技場があちこちに新設されることになっている。ということは既存の施設に加えてさらにメンテナンスに資金が必要になるわけで、その資金稼ぎが必至になったといえる。

   プロ野球は依然として人気トップにあり、議連の参加議員は「売り上げは上がる」とはっきり言う。

「八百長できない」仕組みを構築

   プロ野球界にとっては寝耳に水の話だったらしい。

「事前に話はないようだ。球界は驚いている」

   マスメディアの反応だ。プロ野球側はコメントのしようがないといったところだ。

   プロジェクトチームは、事前にコンピューターが無作為に勝敗を予想したクジを購入する仕組み(非予想系クジ)を考えているという。

   つまり「八百長をできない」仕組みを構築するという。

   プロ野球は1969年に試合の八百長が発覚。有名選手が「敗退行為」で永久追放されただけでなく、公営競技にも及んだ「黒い霧事件」を起こした苦い経験がある。以来、厳しく対処してきただけに、簡単には受け入れられないだろう。

   プロジェクトチームはプロ野球機構(NPB)や選手会に説明して理解を得たい、としている。ファンがどのような意向を示すかも大きなカギになる。

   TOTOを導入した場合、監督も選手もプレッシャーがかかるだろう。いずれにせよ、ひと騒動は起きる。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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