料理愛好家の平野レミさんが2015年4月20日放送のNHK「きょうの料理」に登場し、春キャベツを丸ごと使ったレシピを紹介した。
平野さんのダイナミックな料理風景やチャーミングなキャラクターは多くの人に親しまれ、インターネット上では好意的な意味で「生きる放送事故」とまで呼ばれている。今回も期待を裏切らないパフォーマンスが披露され、ファンは大喜びだ。
「今日は丁寧にゆっくりしますね。品よく」次の瞬間...
平野さんは同番組のシリーズ企画「20分で晩ごはん」に出演した。旬の春キャベツやタケノコを食材に、「どっかん春キャベツの丸ごと煮」など計4品を20分で作る。予備調理はなし。アシスタントもおらず、スピーディーな作業が求められる。
スタート前、平野さんは「できるかな?心配なんですけど」と不安を口にしていたが、別の場所にいる後藤繁榮アナウンサーが「ヨーイ、スタート!」と合図を送ると、「アッハッハッハ!」とおなじみの笑い声を上げ、「やるか!しょうがない!」と心を決めた。
冒頭から「柔らかい」と紹介していたキャベツの芯が思ったよりかたいというアクシデントが発生する。平野さんは、
「やっちゃえ!もうちょっとやっちゃえ!」
「かたいなこのへん、ダメだ!」
と話しながら、豪快に切っていく。次に切り目をいれたキャベツを「フライパンの中にドカン!」(平野さん)とのせると、ニンニクを手に、こう断りを入れた。
「NHKだから大変なんですよ、キレイにやらないと怒られちゃうのね。大変なの。だから今日は丁寧にきれいにゆっくりしますね。品よく。じゃ、やります」
だが、次の瞬間にはニンニクをボールの底でバンバンと潰し始めた。スタッフからは笑い声が漏れ、後藤アナも「レミさん...『今日は品よく』っておっしゃったそのすぐ後でドッカンでしたね...」とたまらずツッコミを入れていた。
タイムリミットが迫ると「この番組、ほんと心臓に悪い!ちょっと、時計止めといて!止めなさいよ後藤さん!」とルール変更のお願いまですることもあったが、しかし、さすがは平野さん。最終的には30秒を残して4品を無事完成させた。「まったく疲れる、この番組!」と笑顔で感想を述べ、「あーやだやだやだやだ」という言葉とともに番組は終了した。
「ブロッコリー騒動」うけてレシピコンテスト開催
出演は放送前からインターネット上で話題になっており、NHK広報局のツイッターも震える顔文字とともに「おっと、今夜の『きょうの料理』が平野レミさんの『20分で晩ごはん』」とアナウンスしていた。
案の定、放送中はツイッターで平野さんの発言や様子を実況する人々が続出。
「荒い!全体的に荒いよレミー!」
「これはNHKなのか......!?」
「手に汗握る料理番組...!」
といった感想も寄せられた。NHK広報局まで「レミさん、ダイナミックすぎる...」「とりあえずレミさんの大爆笑で終わった...」などとツイート。期待通りの内容にネット上は大盛り上がりだった。
平野さんといえば14年10月のNHK「あさイチ」で紹介した「まるごとブロッコリーのたらこソース」がネット上で大きな話題となったことが記憶に新しい。皿の中央にブロッコリーがそびえ立つ斬新な料理で、途中でブロッコリーが倒れてしまうハプニングは出演者陣や視聴者に「大ウケ」した。
実は平野さん、「イジられっぷりに敬意を表して」このブロッコリー騒動を後日ネタにしている。14年12月、倒れそうで倒れない料理を一般から募る「倒れるレシピ・コンテスト」を公式サイト「Remy」で開催したのだ。
こうした「いじり」に対するポジティブな反応がネット上でファンを増やしている理由の一つかもしれない。公式サイトオープン時には、
「最近『生きる放送事故』なんてからかわれるから、料理のこと自由に話せる場所つくったわよ!」
とツイッターでPRしていたこともあった。なお、平野さんの最新レシピは「remy」フェイスブックページでチェックできる。