タレントの大橋巨泉さん(81)が2015年4月19日に日本テレビ系で放送された情報番組「真相報道バンキシャ!」の中で、死後に肺がんだったことを公表した愛川欽也さん(享年80)について、「なぜ病気を隠したんだろう」と不思議そうに語った。
大橋さんは、4度目のがん発病を公表したばかり。愛川さんは仕事復帰を目指して病気を隠していたというが、大橋さんは「隠したら仕事できる、知れちゃったらできないってことはないでしょ?」などと持論を展開した。芸能人の間でも闘病のスタンスは分かれるようだ。
「隠したら仕事できる、知れちゃったらできないってことはないでしょ?」
大橋さんと愛川さんは、往年のバラエティー番組「11PM」で司会を担当したという旧知の仲だ。1974年~85年にかけて大橋さんが月曜日と金曜日を、愛川さんが水曜日を担当していた。
愛川さんの妻でタレントのうつみ宮土理さん(71)は5月18日に発表したコメントの中で、病名はもちろん、病気であることすら伏せていたことについて理解を求めた。
「この度は愛川の強い意向で、ご心配してくださった皆様に病状を明かせなかったこと、深くお詫び申し上げます。愛川は最期まで仕事に復帰するつもりで頑張っており、皆様に公表することを頑なにお断りするよう申しておりました。ですが、そんな頑固なところも愛川らしい一面ですので、どうかお許しください」
大橋さんは、愛川さんが仕事熱心だったことを振り返ったが、病気を伏せていたことについては腑に落ちない様子だ。
「ただ分からないのは、じゃあなぜ病気を隠したんだろう。僕は一度も隠したことないし、今4個目のガンいるけど、(胸のあたりを指しながら)この辺に、ガンって言うのは、戦うか死ぬか、どっちかなんだよね。『がんと戦うな』ってお医者さんも言うけど、僕は反対だな。戦うか死ぬかどっちかだから、戦うんなら発表した方が、ファンの方とか...。僕なんか発表ずーっとしてるから、メール、お手紙をいただいて、結構元気もらうよ?隠したら仕事できる、知れちゃったらできないってことはないでしょ?」
「やっぱり我々友達にいらない心配かけるのがいやだったのかな?」
そのうえで、大橋さんが、
「今度ケロンパ(うつみさん)に会ったら聞いてみたいと思うんだけど、どういうつもりだったのかな?やっぱり我々友達にいらない心配かけるのがいやだったのかな?」
と愛川さん夫妻を思いやると、大橋さんの隣に座っていた俳優の森山周一郎さん(80)も、
「そうでしょうね。(自分たちは)何にも聞いてない。知らなかったから」
と頷いた。
芸能界でも、がん闘病に対するスタンスは様々だ。08年に肝臓がんで死去した俳優の緒形拳さん(享年71)は肝臓が破裂したことが死去のきっかけになった。ただ、死去時の報道によると、緒方さんは00年頃から慢性肝炎を患い、肝硬変を経て03~04年頃にがんに移行。病状は家族しか知らず、仕事関係者には知らせないように強く口止めされていたという。
一方、10年に肺がんで死去した芸能レポーターの梨元勝さん(享年65)は病状を公表し、死の数日前まで入院先のベッドの上で仕事をしていたことが知られている。