東証自身も責任は逃れられない
こうした不正を受けて東証が「特設注意市場銘柄」に指定した企業は、1月以降だけでも4社にのぼり、いずれも新興企業が多いマザーズやジャスダック市場の上場企業。マザーズ全体の値動きを示す東証マザーズ指数は年初から1.5%前後下落し、15%以上値上がりした日経平均株価と明暗を分けた。
「(株式上場に関わった)証券会社や(上場前の決算監査を担当した)監査法人は(企業の業績動向や経営者の資質を)分かっているはず。しっかりしてもらいたい」
斉藤CEOはこうした企業に関わった証券会社などにも批判の矛先を向けたが、上場審査に当たった東証自身も責任は逃れられない。東証は上場審査を厳格にするため、上場時期が集中しないように運用を改善するなどの対応策を打ち出したが、市場関係者からは「今年の新規上場企業数がペースダウンすることは避けられない」との声が出ている。