チャレンジ精神の表れ
ホンダジェットの開発責任者で、開発・製造から販売を担当する藤野道格社長は「欧州のデモンストレーション飛行でホンダジェットの速度や燃費の卓越性、欧州圏内の主要都市を結ぶのに最適な航続距離などを実際に体験していただけると期待している」とコメント。「ホンダジェットはビジネス航空機の世界に革新をもたらそうとするホンダのチャレンジ精神の表れだ。今回のワールドツアーでホンダのコーポレートスローガンである『The Power of Dreams』を体現するホンダジェットを一人でも多くの皆様に見ていただきたい」と話している。
日本国内では三菱重工業が1965年にビジネス用双発プロペラ機「MU-2」、1984年にビジネスジェット機「MU-300」を開発。富士重工業が1966年に単発プロペラ機「FA-200 エアロスバル」、1977年にビジネス用双発プロペラ機「FA-300」を開発するなどしたが、商業的に成功とは言えなかった。
国内の自動車メーカーで航空機を生産するのは、中島飛行機をルーツにもつ富士重工業(スバル)があるほか、三菱自動車工業は三菱重工業から独立した経緯がある。中島と三菱はいずれも第2次世界大戦中に「隼」「零戦」などの戦闘機を開発・生産した名門メーカーだが、オートバイメーカーから戦後スタートしたホンダの航空機事業参入は両社とは異なる道のりだった。名実ともに航空機メーカーとなるホンダは、ワールドツアーを通じてその独創性、技術力の高さを国内外に示すことになる。