金融庁「これ以上ない良い組み合わせ」
相互補完関係にあるトモニ、大正の経営統合方針に、地銀に対して陰に陽に再編圧力をかけてきた金融庁も「これ以上ない良い組み合わせ」(幹部)と満足げだ。人口減少や地域経済の弱体化、金融機関同士の競争激化による貸出金利の低下は、トモニ、大正に限った話ではなく、全国の地銀の共通課題。銀行業界では早くも「次の経営統合はどこか」が焦点となっている。
次の統合を占うカギの一つが、メガバンクの系列行の行方だ。トモニ、大正の経営統合が実現したのは、大正銀行の25%の株式を持つ三菱UFJが地銀への出資を整理しようとしていたことが大きい。メガバンクはかつて、地銀へ出資して関係を強化することで手薄な地方の営業網を補完してきたが、メガバンクの主戦場は今や海外。三菱UFJは株式交換方式により保有する大正銀行株をトモニへ渡す方針で、記者会見に同席した三菱東京UFJ銀行の荒木三郎常務は、メガバンクと地銀のビジネスモデルや顧客層の違いを挙げて「地銀へ出資する必要性が薄れている」と述べた。