FBでは「おそらく放射線でこの小さなロボットは壊れた」と解説
この実験が世界初めての試みだということもあって、この経緯は海外メディアも相次いで報じた。大半は「動けなくなった」と伝える程度だったが、英BBCは独自の見方だ。東京発の特派員レポートでは、
「ミッション開始からわずか3時間後に(ロボットは)動かなくなった。理由はっきりしないが、高い放射線量が、おそらくその答えだ」
と伝えており、その動画はBBCのフェイスブックに
「おそらく放射線でこの小さなロボットは壊れた」
という説明文つきで掲載された。
もっとも、東電では、ロボットが動けなくなったのは「グレーチング」の継ぎ目の段差や配管のすきまにロボットがはまり込んだのが原因だとみている。そもそも、ロボットは毎時100シーベルトで約10時間動けるように設計されている。実際に格納容器内で測定されたのは毎時10シーベルトなので、ロボットは想定よりも長く動けるはずだ。
こういった事情もあって、東電は4月15日、
「ロボットが当初の想定(約10時間)よりも長い期間(2~3日)、原子炉格納容器内の線量に耐えられるという、貴重な知見も得られている」
として、別のロボットを使って同日午前に時計回りの調査も始めたと発表した。