自民党の菅義偉官房長官は2015年4月11日、街頭演説に訪れた横浜市港北区で、米アップルが大規模な技術開発拠点を同区内に建設する計画を進めていることに触れ、「これを契機に『やはりアジアの拠点を日本にしたい』という優良企業がこれから増えてくる。名前は出さないが、アップルと匹敵するような企業が準備を進めている」と語った。
インターネットでは、いったいどんな大企業がやって来るのか、早くも憶測が飛び交っている。
アップルが横浜市港北区にある工場跡地をすでに購入
引き合いにされた米アップルは、2014年12月の衆院選のとき、安倍晋三首相が街頭演説で、横浜市に最先端の技術開発・研究拠点を建設する計画を進めていると発言。アップルとしては米国以外で初めての拠点となるだけに、関係者や周囲を驚かせた経緯がある。
その後、2015年3月には横浜市が、アップルが横浜市港北区にあるパナソニックの工場跡地の一部をすでに購入していて今後、延べ床面積が約2万5000平方メートルの大規模な技術開発施設を建設すると発表。2015年度中に着工、16年度中の完成を目指している。
横浜市の林文子市長も、「アップルの進出によって多くの企業を引きつけ、新たなかたちの産業が創出される好循環が期待できる」と話していた。
もともと横浜市が外資系企業の誘致に熱心なことは間違いない。目の前には港が広がり、羽田空港にも片道約30分、東京都心にも約40~50分という近さで、利便性がよいのが売り。外資系企業向けの支援施設も、たとえば米国企業向けにはテクノロジー・ビレッジ・パートナー(TVP)を、ドイツ向けにはジャーマン・インダストリー・パーク(GIP)を、英国向けにはブリティッシュ・インダストリー・センター(BIC)を用意。横浜ビジネスパークや、日本での起業を支援するFEMACビジネスセンターなどもある。