韓国経済の先行き「長いトンネル入り」 成長率低下、政府も「打つ手なし」

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不動産市場と証券市場は好調

   その一方で、韓国ではこのところ不動産市場と証券市場は好調らしい。2015年4月3日付の朝鮮日報日本語版の社説「不況の韓国経済、不動産と株価だけ上向きの意味」によると、ソウルのマンション取引件数は2006年以来の最高を記録し、過熱懸念が聞かれるほどで、証券市場も株価指数が全体的に上昇して出来高も増えている、という。

   原因は、韓国銀行(中央銀行)の政策金利の引き下げにある。市中にあふれた資金が不動産と証券市場に流れた。

   現在、韓国の政策金利は1.75%。追加利下げの観測もあり、この資金が景気回復につながればいいのだが、前出の第一生命経済研究所の西濱徹氏は、「いま以上の利下げは難しい」と指摘。「利下げがあっても小幅なものでしょう」と、大胆な金融緩和には踏み込めないとみている。

   「利下げの余地はまだありますが、あまり大きく下げるとかえって債務を増やしてしまいます。また、一方で米国が利上げしようという時ですから動きづらいこともあり、簡単には下げられないのが現状です」と説明する。

   「長いトンネル入り」も信憑性を帯びてきている。

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