同じ薬でも人によって合う、合わないがある
消費者庁は、「一般用医薬品の副作用症状についてはまだ多くの人に知られておらず、副作用の発見が遅くなるおそれがあります」としている。「使用上の注意」に書かれていても、あまり気にかけないまま薬を服用している人もいるだろう。
「クローズアップ現代」で取り上げられた女性の場合、以前飲んだことのある薬で副作用が現れた。健康体でも、過去に問題なかった薬でも、副作用のリスクがゼロとは言えないようだ。医療専門紙の記者はJ-CASTニュースの取材に、「薬には副作用があると考えておいた方がよいでしょう」と話す。
2014年11月の薬事法改正に伴い施行された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」では、国民の役割として「国民は、医薬品等を適正に使用するとともに、これらの有効性及び安全性に関する知識と理解を深めるよう努めなければならない」(第1条の6)と新たに定められた。薬を使う側が、説明書を読むなど自発的に安全かどうかを確認する努力をしなさい、というわけだ。
医療専門紙の記者はひとつの方策として、医療機関での処方薬の情報が記録される「おくすり手帳」の活用を勧めた。通院時に忘れず携帯して処方薬の履歴を管理しておき、薬局で市販薬を購入する際に薬剤師に見せてどの薬が適しているかを相談するのだ。「同じ薬でも人によって合う、合わないがあります。過去の服用記録を薬剤師が見れば、薬の安全性に関してある程度の手がかりがつかめるのではないでしょうか」。
いつ、どこで副作用のリスクに襲われるかは分からない。自己防衛のために意識を高めておくことが第一歩となる。