キムタク、聖子も「アレンジ」好き
実際、多くの歌手がライブや歌番組のパフォーマンスとCD音源で歌い方を変えている。
「SMAP」の木村拓哉さん(42)が歌番組やライブで見せる独自のアレンジは度々話題に上る。
歌手の松田聖子さん(53)も代表曲「あなたに逢いたくて~Missing You~」を歌う際、しばしばキーを下げたり、サビの一部分でわざとタメを作ったりする。
それらを歌手特有のアレンジや個性と捉えて支持するファンもいる一方、「CD音源と違う」といった不満は根強い。
しかし、発声のプロは少々違った見方をしているようだ。
音楽プロデューサーで東京・五反田のボイストレーニングスクール「ワンズウィルミュージックスクール」代表の中山雅生さんが若い歌手の歌唱法について興味深い指摘をしている。
12年2月4日、同スクールのブログで「節回し(しゃくり)が全く出来ていない、というかやっていない」「歌の入りから語尾までまっすぐ歌っている」と苦言を呈し、「人は普通に歌えば節(しゃくり)が入りますし、語尾は揺れて音程も下がっていくものなのです。鍵盤楽器のように入りも語尾もまっすぐな歌はどう考えてもおかしいと思います」と語っている。
そして、DAWの発達で音程や節回しを直し過ぎる音楽制作の現状に触れ、「(歌唱法が変わった理由は)最近の音楽業界が作っているCDに問題があるのでは? と思えてなりません」と分析した。