横浜市でフルマラソンとして初開催された「横浜マラソン」のコースが規定距離に足りず日本陸上競技連盟の公認コースとならなかったことに、参加者から不満がもれている。
ツイッターなどでは1万5000円も支払った参加費の返金を求める声もある。しかし横浜市や神奈川県などで構成される横浜マラソン組織委員会は「大会は無事に終了した」として返金に応じる予定はない。
距離が足りなかったが、大会は成立している
「横浜マラソン」は「横浜国際女子マラソン」から市民参加型のフルマラソンに大きく模様替えし、2015年3月15日に初開催された。当日は芸能人やチャリティーランナーを含む約2万3000人が横浜市内のコースを駆け抜け、沿道は声援を送る多くの観客でにぎわった。
しかし組織委は4月7日になって、フルマラソンで186.2メートル、10キロ部門で94.1メートル距離が不足し、日本陸上競技連盟の公認コースとならなかったと発表した。コースの一部となった首都高速道路の距離が事前に正確に計測できていなかったことなどが原因だとしている。
まさかの事態に、参加したランナーからはツイッターなどで「本当にがっかり」「ショックすぎる」と不満の声が上がった。さらには、
「陸連非公認になったのに参加費返金しないのね」
「距離測定をいかなる理由にしても実測を怠った主催者の責任で参加費は返金すべき」
「あれだけ高い参加費でミスの上、返金も何もなしなんて・・・」
などと、参加費1万5000円の返金を訴える意見まで出てきている。東京や大阪など、ほかの市民マラソンが1万円前後なのに比べると少々割高だ。
しかし組織委によると、参加費の返金を行わない方針だ。J-CASTニュースの取材に担当者は「大会は無事終了したので返金に応じられない」と話し、距離が足りなかったことで大会そのものが成立しなかった訳ではないと説明した。
すでに問い合わせは十数件あったが、現時点では参加者に距離が足りなかったことを「ご報告」という形でメールすることを検討している段階だという。
当日計測していたのに1か月以上たって発表
もちろん、大会前から公式サイトなどでは日本陸連の公認大会ではないと明記されていた。しかし「コースについては日本陸連公認コース申請予定です」としていただけに納得できない人は少なくないようだ。
また当日に日本陸連に計測を依頼しながら、会場でランナーにアナウンスせず、1か月以上たつまで発表していなかったことに疑問も残る。3月19日にも公式サイトで「公認コースの大会とはなりませんでした」と短く発表しながらも、距離については触れていなかった。実行委は「原因の精査に時間がかかり、発表できるのが昨日になった」と説明している。