警察の捜査で初めて真相の解明が進む?
裏金問題の解明に向けて、証言や証拠を集めるためのネックになっていることがまだある。
隠し口座などを知っているとみられる大阪桐蔭の前事務長が、体調不良を理由にして、第3者委員会のヒアリング調査に応じていないのだ。第3者委では、ヒアリングは難しいとみて、書面での回答を求めたが反応はなかったという。
25年以上も務めた前校長は、裏金作りのキーマンとされているが、ヒアリング調査には応じたものの、報道によると、学校が本人に連絡を取れない状態になっているという。
第3者委の委員長だった畠田健治弁護士は、パソコンが壊れた原因について、「ドリルで穴を開けたとか、水をかけたとかいった痕跡は見つからず、結局なぜかは分からなかった」と話す。データの修復もできなかったといい、バックアップを取っていたかと聞くと、前進路指導部主事は、「取っていない」と答えたという。
ヒアリングに応じない前事務長については、「診断書はもらえませんでした。どこまで本当かは分かりませんが、体調不良で書面も見られるような状態ではないとは聞いています」と話した。
第3者委の報告書では、大阪産業大は前校長らの刑事告訴を検討すべきだとしている。もし個人的な目的で裏金を使ったとしたら、業務上横領罪に当たるというのだ。証言や証拠がなかなか集まらない以上、警察の捜査によって初めて真相の解明が進むのかもしれない。
大阪産業大の学園広報課では、今後について、前校長らの刑事告訴を含めて検討する考えを取材に明かした。大学理事長らで作る対応委員会が4月末までに告訴などの対策を盛り込んだ報告書をまとめるとしている。