2015年4月10日から放送が始まるドラマ「アルジャーノンに花束を」(TBS系)の番組CMに不自然なカットが混じっている、とネットで話題になっている。
「はんくる」か「はんぐる」と読め、番組内容とは無関係なカットに見える。このため中には、「サブリミナル効果」(通常感知できない方法で何らかのメッセージを視聴者に伝える方法)ではないかととするうがった見方さえ出ている。
ひらがなの書かれたカルタが散らばる机をネズミが歩く
ドラマ「アルジャーノンに花束を」はアメリカの作家、ダニエル・キイスによる1959年のSF小説が原作。
精神遅滞を患った人間の主人公と「アルジャーノン」の名を持つハツカネズミが、最新の技術を駆使した脳手術を経て驚異的な知能を手に入れる物語だ。
日本でも02年に小説をもとにしたドラマが放送され、高視聴率を記録した。15年版では、元NEWSで俳優の山下智久さん(29)が主演、ドラマ「高校教師」「101回目のプロポーズ」(いずれもフジテレビ系)などの作品で知られる野島伸司さん(51)が脚本を務めるなど豪華キャストを揃えた。
人気作品のドラマ化とあって、放送前から大きな注目を集める一方、ツイッターなどでは同番組のCMをめぐり、ある疑惑がささやかれている。
問題のシーンはCM冒頭に出現する2秒足らずのカットだ。
大きくひらがなの書かれたカルタが散らばる机をネズミが歩く。やや後ろにある数枚の文字はぼかされて見えにくいものの、前方の4枚には「は」「ん」「く」「る」の文字を確認できる。なお、「く」の上には点が見えるが、濁点か否か判別しづらい。
文字列を見て、ハングル文字を思い浮かべる人も多いだろう。ただ、CMの最後まで文字列の意味は明かされないままだった。
ハングル文字と番組内容の関係を想像しづらいこともあってか、ツイッターでは
「これネット炎上させるつもりでワザとやってるよね」
「意図的だよなw」
「サブリミナル狙ってるの?」
「天才ネズミのアルジャーノン君がお勉強するのは は・ん・ぐ・る ですか?」
といった批判が噴出している。
TBS「文字列に特に意味は無い」
韓国を暗示させるようなカットと言えば、11年にもドラマ「それでも、生きてゆく」(フジテレビ系)をめぐって騒動が発生している。
ドラマのセットの雑誌に記された「JAP18」という文字が、日本人の蔑称と韓国語のスラングを組み合わせたものではないか、などと繰り返し指摘された。「JAP」は「ジャップ」を意味し、「18(シッパル)」も「この野郎」「くそったれ」を意味するスラング「シッバル」に発音面で似通っている、というのが根拠だった。
当時フジテレビは文字の意味についてコメントをしなかったものの、日本人への侮蔑、との批判は収まらなかった。
加えて、サブリミナル効果についてはテレビ放送では明確に禁止されている。民放各社やラジオ局などで作る日本民間放送連盟が1999年に定めた番組放送基準の中で、
「公正とはいえず、放送に適さない」
と明記している。
TBSテレビ広報部は取材に対し、「カルタの文字列に特に意味はありません。ただ、カルタと番組内容の関係についてはドラマを見て下さい」と話した。
また、「く」の上にある点については「濁点ではない。『はんくる』ですね」と明かした。