フィギュアスケーターの安藤美姫さんや大リーグ・レンジャーズのダルビッシュ有投手が、SNSでラブラブ写真とともに交際宣言したことは記憶に新しい。どうも、今やSNS上での「ラブラブアピール」は、若者の間では「当たり前」になりつつあるようだ。
特に最近では、中高生カップルによる動画投稿が急増している。2015年4月6日放送の「ZIP!」(日本テレビ系)でも「LOVE映像公開現象」として特集され、注目を集めた。
投稿コメントに「愛してる」
ラブラブ動画は、6秒動画アプリ「Vine(ヴァイン)」や画像共有アプリ「Instagram(インスタグラム)」などさまざまなSNSに投稿されている。中でも10秒動画アプリ「MixChannel(ミックスチャンネル)」は、中高生カップルから絶大な支持を受けている。
同アプリには「LOVE」というカテゴリーが用意されており、全国のカップルが「甘~い」動画を日々投稿している。運営会社Donutsによれば、LOVEカテゴリーだけで1日5000件近い投稿があり、閲覧数は1日約1000万回にものぼるそうだ。
内容は、2人の記念日や誕生日を祝うものから、旅行の思い出をまとめたもの、何気ない日常を収めたものなどさまざま。キスシーンの披露はもはや「定番」のようで、中にはプロレスごっこのようなじゃれ合いや、「壁ドン」「顎クイ」など話題のシチュエーションを取り入れたものもある。投稿コメント欄は「愛してる」といった言葉が溢れている。
Donuts広報担当者によると、ある帰国子女のユーザーがカップルでの思い出動画を投稿したことがきっかけとなり、カップル動画の投稿が増えていったという。ブームについては
「もともとTwitterなどでカップル文化が築かれていたなかで、動画という表現手法でよりコンテンツに面白さが増したため、流行につながったのだと考えております」
と分析する。同アプリでは音楽を重ねたり、外部アプリ等を使って文字を入れたりすることが可能だ。ポエム調のメッセージやイラストを多用したものも少なくない。手の込んだ動画で愛情表現できることも魅力の一つなのだろう。
別れたら一転「黒歴史」に?
このブームは6日放送の「ZIP!」でも取り上げられ、ミックスチャンネルに投稿されている実際の動画もいくつか紹介された。多くの視聴者にとっては衝撃的だったようで、一時ツイッターのトレンドには「LOVE映像」が入るほどだった。
「自分の姿に自信がある若者が多いことに驚く」
「他人のイチャコラみて楽しいんか...」
「最近の若者はわからないよ」
といった戸惑いの声も並んだ。
また、多くが指摘していたのが「別れたらどうするの」という点だ。投稿者の多くが10代とまだ若いこともあり、
「別れた後で黒歴史以外の何物でもなくなるんだぜ」
「悪用されそう」
といった心配の声も上がっていた。
実際、ツイッターでは「あれだけ頑張ったミクチャ(ミックスチャンネルの略)も消さなきゃいけない」といった悲しいつぶやきも投稿されており、幸せアピールは必ずしもいい事ばかりではないようだ。