経営再建中の電機メーカー大手、シャープは主力の液晶事業を分社化する方向で検討している。同社は、中小型液晶事業をスマートフォン向けなどの需要の増加で成長が期待できる基幹事業と位置づけており、業績不振が続くシャープ本体から分社化することで財務基盤を強化し、資金を調達しやすくする狙いがあるとみられる。
日本経済新聞(2015年4月4日付)は、金融支援を要請している三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行らと抜本的な合理化策を盛り込んだ新たな経営計画の策定を協議していると報じ、またNHKは5日、シャープが官民ファンドの「産業革新機構」に出資を要請する方針を固めた、としている。
一方、こうした一連の報道にシャープは4月6日、「当社の発表したものではありません。当社では液晶事業を含む抜本的な構造改革について、さまざまな検討を行っていますが、決定した事実はありません」とコメント。現在、新中期経営計画を策定中で5月をめどに公表する予定としている。
シャープはテレビ事業などの採算悪化で、2015年3月期決算で2年ぶりに最終赤字に陥る見通し。